高齢化で今後一層需要が高まる【看護業界】
なかなか改善されない現状
看護業界では長らく人手不足の状態が続いていますが、その状態は現在でもそう変わりはありません。なぜなら、看護師は年々増えているわりに離職者も多く需要に供給が追いついていない状態が続いているからです。また、地方に行けば行くほど人手不足が深刻でより厳しい状況で働くことになるため、都会よりも1人1人の負担が大きくなっています。そのため、仕事が厳しいあまり辞めてしまう人も少なくありません。
活躍の場は広がっている
看護師はやりがいも多く人気のある職業ですが、それを裏付けるようにここ数年は看護系の学校が急増しています。1991年にはわずか11校しかなかった看護系大学は2014年には20倍の226校へ増加し、定員数も35倍になっていますが、これは、少しでも安定して働けるようにと国家資格を得て手に職をつけたいという人が増えたことが大きく関係しています。
看護師といえば、病院やクリニックで働くのが一般的ですが、最近は社会の変化に合わせて活躍の場も広がっており、看護師の需要は多くなっています。さらに、これから先は高齢者が増えて高齢化社会がますます加速していくことも予測されているため、高齢者介護のニーズも高まっていくことが考えられます。そのため、病院だけでなく在宅医療の普及により訪問看護ステーションなどさまざまな場所でも看護師の需要が高まっていくことでしょう。しかし、高齢者の患者さんには身体の自由が利かない人や認知症を患っている人なども多く、他の患者さん以上に手厚いケアが必要となるため、人手不足の現状でどう対応していくかが問題にもなっています。
地方は専門的な知識が求められる
地方は看護師だけでなく医師不足も大きな問題となっています。医師が足りない医療現場ではそれをサポートする看護師にさまざまな役割が求められる傾向があります。といっても、看護師は医師のように診療したり治療したりすることはできません。診療のサポートが仕事です。そのため、看護師は患者さんが抱えている疾患について知識を深め、医師の治療方針を正しく理解して必要なサポートを最善の形で行わなければなりません。
患者さんのケアをするためには看護計画を立てなければなりませんが、精度の高い計画を立てるためには患者さんの状態について医学的に把握しておく必要があります。そのために、知識や技術を深めようと「認定看護師」の資格を取得してステップアップを目指す人もいます。このようにプラスαの知識や技術を身につけることは患者さんだけでなく自身の価値を高めることにもつながります。