看護業界の人手不足の原因は離職率の高さ

離職率の高い【看護業界】

離職率の高い【看護業界】

現状について

看護師として働いている人は数十万人いるといわれています。国家試験をパスしている人は毎年1万人以上はいるため、看護師自体の数は多いのが現状です。しかし、国家資格を持ちながらも50万人以上の人は看護師としては働いていないというデータもあり、多くの病院では看護師不足が大きな問題となっています。数が多いのに人手不足、なぜこのような事態になるのでしょうか。

看護師不足になるそもそもの原因は?

看護師不足の原因としてよくあげられるのが離職率の高さです。看護師という仕事に憧れて勉強を積み国家試験をパスして晴れて看護師としての第一歩を歩み出しても現実は厳しく、9Kといわれる仕事内容についていけず辞めてしまう人も少なくありません。もともと、看護師の仕事は「きつい・きたない・きけん」の3Kだといわれていましたが最近は仕事内容も多忙化し、医師が行うような注射や点滴を代わりに行うようになったりカルテの整理に時間を費やしたりとさまざまな業務に時間が取られて9Kともいわれています。
病院側でも看護師不足で1人1人にかかる負担を減らすべく病床数を減らしたり患者の受け入れを制限したりと対策を立てていますが、手が離せない重症人が増えていることもあり以前に比べて1人あたりの負担は大きくなっています。
また、看護師はまだまだ女性の割合が高い職業でもあるため結婚や出産など自身のライフスタイルの変化によって離職してしまう人も少なくありません。特に育児と仕事の両立は難しく、出産後に仕事に復帰することができない人も多くいます。そのため、ライフスタイルの変化で離職する人が多いことや国家試験を受ける人数が減っていることを看護師不足の原因にあげる人もいますが、実際は出産で離職したものの、やりがいの多い看護師という仕事に復帰したいと考えている人も多くいます。そういった人たちが働きやすい仕組みを作ることができれば看護師不足を解決することができそうなものですが、そう簡単にいかないのが現状です。

国の対策は?

このような状況を打破すべく、国も「新看護基準」を設けるなどして対策を立てています。これは2006年に診療報酬改定で導入されたものですが、今まで患者10人に対して看護師1人の割合で看ていた基準を7人に1人に変更し、その基準を満たしている病院には高い診療報酬を支払うというものです。看護師が多いほど病院が受け取る診療報酬が増加するため、看護師獲得に乗り出した病院も少なくありませんでしたが、資金力のある大きな病院が中小規模の病院から看護師を引き抜いたり囲い込んだり、という事態も起こってしまい、ますます病院間の格差を生んでしまうという結果になってしまいました。

各業界の現状や対策方法について

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