悪いイメージが付いてしまった【飲食業界】
悪いイメージが定着している
飲食業界でも人手不足は深刻な問題です。従業員が足りないため、営業日を減らしたりお店自体を閉めてしまったり、といった事例もあります。そのため、人材の確保が急務となっていますが、なぜこれほどまでに人手不足となっているのでしょうか。それは飲食業界で働くイメージがなかなか回復しないことも大きく関係しています。
「長時間労働やサービス残業は当たり前」「クレーム対応をしなければならない」「世間のように土日祝日は休みが取れない」「ハードな肉体労働」「人手不足のため1人1人の負担が大きい」などのようにマイナスのイメージを持っている人が多く、さらにパワハラや過労など従業員の労働環境が過酷な労働環境の企業に贈られるブラック企業大賞を大手の飲食店が受賞したこともあるため、飲食業界はハードでつらいという悪いイメージがついてしまったのです。
即戦力でマルチにこなせる人が求められている
飲食業界は人手不足ということもあり、さまざまな業務をこなせる人が求められています。そのため、キッチン志望で採用されたにもかかわらず調理だけでなく、食材の発注や電話対応、清掃やレジ管理など幅広く仕事をこなすことが求められます。また、人手不足のため新人教育や研修をする余裕もあまり取れません。そのため、教育が必要な未経験者より経験者の方が優遇される傾向があります。ですが、求人を見ているとほとんどの飲食店で「未経験歓迎」と書かれているため、「しっかり仕事を教えてもらえるなら経験がなくても大丈夫だろう」と思いながら応募する人も少なくありません。しかし、実際に働きはじめるとしっかり指導してくれるどころか「見て覚えるように」と自力で覚えることを求められ、なかなか仕事を覚えられず辞めてしまった、という人もたくさんいます。そのため、人手不足を解消するために新しく雇ったにもかかわらずすぐに辞められてしまいまた人手不足に、と悪循環に陥っているところもあります。
若い世代が飲食業界から離れている
飲食業界は学校とも両立しやすいため学生から人気がある職種ですが、最近はインターネットなどで簡単にブラック情報を調べることもできるようになったため、過酷な労働環境だと分かっている飲食業界に自ら身を投じようとする人も減り、人手不足を加速化させています。人手不足になるとどうしても1人1人の負担が増えてしまうため、学生なのに無理なシフトを組まされたりなかなか休みをもらえなかったりと無茶な業務をさせられてしまう、いわゆる「ブラックバイト」の状態になってしまい度々ニュースにもなるほど問題になっています。
実際に、「試験前なのに休みがもらえなかった」「シフトで授業に出られなかった」「ノルマが達成できず費用を負担させたれた」といった声も寄せられているそうです。このような情報がネットに上がれば、飲食業界で働きたいという人はますます少なくなってしまうことでしょう。