定着率アップと外国人採用がカギとなる【飲食業界】
人手を増やすのではなくクオリティをあげる
飲食業の人手不足を解消するためにはただ単に人を増やしてもすぐに辞めてしまうため意味がないと先述しました。人材を確保したいのであれば人を増やすのではなく、スタッフの質を上げて効率的に仕事をすることが最も効果的です。
そのためには、まずは教育や研修をしっかりと行う必要があります。実際に、飲食業界から離れてしまう人の多くは仕事をきちんと教えてもらえなかったことを理由にあげています。仕事が忙しいと新人を教育する時間が取れずどうしても後回しになってしまいますが、1人1人の質をあげるためにも、研修は最優先で行うようにしましょう。といっても、先輩が全員新人を指導すると人手や時間が取られてしまうため、店長が教育係として指導にあたれば少ない人手でも仕事の手を止めずに教育の時間を確保することができます。
また、新人の教育にしっかりと時間をかけ1人1人の質を高めることができれば、マルチタスク化を図ることも可能です。飲食業界の場合、ホールとキッチンにそれぞれ担当が分けられていますがこのホールとキッチンの2つの仕事を兼任ができるマルチタスクのスタッフがいれば、ホールとキッチンに3人ずつ必要であっても、ホールに2人・キッチンに2人、マルチタスクが1人と従来よりも少ない人数でも仕事を回すことができるようになり、人手不足の解消へもつながります。
定着率をアップさせる
飲食業界で難しいのが、スタッフを確保していくということです。そのためには、店長が新人教育の時間を優先することだけでなく、面接を頻繁に行ってモチベーションをあげたり時給アップなど細かいステップで昇給制度を作ったり、人間関係の構築をフォローしたりすることも大切です。
外国人を積極的に採用する
外国人を積極的に採用していくことも人手不足を解消する方法のひとつです。しかしながら、採用ルールを守らなければ大きなペナルティを課せられてしまうこともあるため、必ずルールを守って採用するようにしましょう。
外国人を採用する場合、まずは就労ビザがあるか確認しましょう。観光ビザしか持っていなかったり就労ビザで日本に来たが仕事を辞めてしまったためビザの期限が切れている場合は採用することができません。また、飲食業界は額税を中心に若い世代が多く働いているため、応募してくるのは留学生や家族滞在のビザで滞在している人も少なくありません。その場合は「資格外活動」の許可取得が必要になり、働ける時間も週28時間までと決められているので注意しましょう。
しかし、いくら外国人を採用して数を揃えたとしてもすぐに辞められてしまっては意味がありません。日本人同様、外国人も働きやすいよう環境を整え、しっかりと指導し日本の食文化について丁寧に説明したり、他のスタッフが外国人差別をしないよう厳命したりといった気配りも必要です。
